事例1 クレジットカードテイクワン型入会申込書
<顧客の課題>
アメリカからの外圧による市場開放の要求に伴い、1992年、DCカードやJCBなど銀行系のクレジットカードでショッピングリボルビング払いが解禁された。それまで銀行系は1回払、2回払い、ボーナス一括払いのみであったがこの制度改革によって各カード会社は顧客獲得競争に突入した。
弊社においては、従来テイクワン型の入会申込書へのナンバリングをそれまでも請け負っていたが、必要生産量は日産15,000部程度で、主に特殊な活版印刷機で対応していた。
然しながら、市場開放によって生じた顧客獲得競争において必要な日産量は10倍の150,000部となり根本的な生産方法の見直しを迫られた
入会申込書に予めナンバリングをする目的は全国各所に配布した入会申込書によってエンドユーザーがエントリーした場合において、何処に配布した申込書によってエントリーがなされたかを把握する為である。このデータを管理することによって入会申込書の適切な配布が可能になる
<ゑびす堂の対応>
当時、巻き6つ折りした後の用紙に対する活版ナンバリングにはデルマックスのようなプラテン型の活版印刷機を用いるのが主流であった
弊社も数台の同型の印刷機を所有していたが、顧客の希望の日産量を満たす為には増設及び増員する必要があった。この選択はこの仕事を消化する為には正しい解決方法であったが年間の稼働をも考えると投資に見合わない事は明らかであった。
そこでそれまでは国内ではこうした用途に使用された前例は皆無であったがインクジェットによる印字方法を提案し同時に国内では初めてのインクジェットによる印字搬送系の構築に取り掛かった
インクジェットによる印字ラインは
・フィーダー
・印字ユニット
・ドライヤー
・部数カウントユニット
によって構成される。コンプリートな搬送系は国内には当時は存在しなかったのでメーカーと共に独自設計し構築した
完成したラインはこのように15,000部/時の製造が可能になり同等のコストで要望された日産量を達成することが可能になった
<満足ポイント>
・顧客が希望する日産量の製造が可能になった
・インクジェットを使う印字なので乱数などPCデータを使っての印字が可能になった
・数字、欧文、日本語、バーコード、画像を取り扱う事が可能になった
通常のナンバリングに留まらず、バーコードや地図などの画像差替え、乱数の印字やDMの宛名印字など取り扱える範囲が拡大し新たな需要開拓の武器となった